皆さんこんにちは
西浜ファームの更新担当の中西です。
さて今回は
スーパーや直売所で並んでいるさつまいもを見て、
「秋になると急に出てくる季節の野菜」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
でも実は、さつまいもが土の中で甘さをたくわえるまでには、
春先の苗づくりから、夏の管理、収穫、貯蔵、出荷まで、
一年を通した長いお付き合いがあります🌱
今日は、さつまいも農家の一年の流れと、
「ねっとり甘くて、ほくほくおいしい」さつまいもを作るために
どんな工夫をしているのかを、できるだけわかりやすくお話してみます🍠✨
さつまいもは、にんじんや大根みたいに種をまいて育てる野菜ではありません。
「種芋」をベッドに寝かせて芽を伸ばし、
そこから ツル苗 を切り取って畑に植えていきます。
春先、まだ肌寒さの残るころに、
昨年、厳選して残しておいた種芋
を温床(ビニールハウスや専用の苗床)に並べ、
適度な温度と湿度を保ちながら発芽を待ちます🌸
ここで大切なのは👇
腐っていない健康な芋だけを使うこと
病気が出ていないか、一つひとつ目で確認すること
温度が上がりすぎず、下がりすぎず、じっくり芽を出させること
こうして出てきた芽が、これから畑に植える “さつまいもの赤ちゃんたち”。
ツヤのある丈夫な苗がそろうと、農家としてもホッと一安心です😊
さつまいもは比較的やせた土地でも育つと言われますが、
「ただ育つ」のと「おいしく育つ」のは別の話です。
水がたまりすぎない
ゴロゴロ大きな石が少ない
適度に空気を含んだ土
が理想です。
そのために、
堆肥を入れて土をやわらかくする
深く耕して根が伸びやすい状態にする
畝(うね)を高めに立てて、水はけを良くする
などの工夫をしています💪
さつまいもの“いも”は、根がふくらんだもの。
土が固いと、
いびつな形になったり
細長くなりすぎたり
してしまいます。
「見た瞬間、おいしそう!と思ってもらえる芋」を作るために、
土の中の環境を整えるのは、とても大事な仕事なんです👀
苗が十分な長さに育ってきたら、いよいよ畑への 定植(植え付け)です。
畝を高く盛り上げた畑
そこに一定の間隔で穴をあける
苗の向き・深さをそろえながら、一本一本植えていく
どれも単純作業に見えますが、
深すぎても、浅すぎてもダメ
苗の向きを間違えると、活着が悪くなる
など、細かなポイントがたくさんあります。
植え付けの日は、
風が強すぎないか
土の乾き具合はどうか
その後の天気予報はどうか
などもチェックしながら、「今日だ!」というタイミングを選びます⏰
植えたばかりの苗は、まだ根が張っていない“よそ者”です。
そこに雨や強風が重なると弱ってしまうこともありますので、
植え付けのタイミングは、まさに農家の“勘と経験”の見せどころなんです😊
さつまいも畑の夏は、とにかくにぎやかです。
さつまいものツルがぐんぐん伸びる
雑草も負けじとぐんぐん伸びる
放っておくと、
どれがさつまいもでどれが雑草かわからない“ジャングル”状態になることも💦
さつまいものツルは、そのまま放置しておくと
節から根を出して、別の場所にも“いも”をつけようとします。
一見お得に感じますが、
栄養が分散してしまう
主軸のいもが太りにくくなる
というデメリットもあります。
そこで行うのが ツル返し。
地面にぺたっと張り付いたツルを持ち上げ、向きを変えたり、
余分な根を切ったりして、
「ここがメインのいもだから、ここに栄養を集中してね」
と調整していきます🍠
畝の間に入ってツルをひっくり返している姿は、
知らない人から見るとちょっと不思議かもしれませんが(笑)、
おいしいさつまいものためには欠かせない大事な作業です✨
夏の暑さを乗り越え、
いよいよ畑の葉が少しずつ色づきはじめる頃。
畝の形や地面のふくらみを見ていると、
「この列はよく太っていそうだな」
「ここは少し控えめかな?」
と、芋の育ち具合がなんとなく見えてきます👀
実際に掘ってみる瞬間は、
何度経験してもドキドキするものです。
スコップや掘り取り機で、畝の土をそっと崩す
紫色や薄いピンクのさつまいもが、土の中から顔を出す
大きさ・形・色つやを一つひとつ確認
「おお、これは立派!」
「ちょっと細いけど、焼き芋にしたらおいしそう」
など、まるで宝探しです😊
雨が続くと土が重くなって掘りづらくなったり、
逆に乾きすぎると肌が傷つきやすくなったりと、
ここでも天気との駆け引きがあります。
何日もかけて畑を掘り上げ、コンテナいっぱいのさつまいもが並ぶと、
「今年もここまできたなぁ」と、
胸がじんわり温かくなる瞬間です🍠💓
さつまいもは、
掘り立てよりも、少し寝かせたほうが甘くなる野菜です。
収穫したさつまいもは、
傷の状態を確認して選別
適度な温度・湿度で保てる貯蔵庫へ
通気を良くし、カビや腐敗を防ぎながら保存
こうして数週間〜数ヶ月寝かせることで、
でんぷんがじわじわと糖に変わり、甘みが増していきます。
ここでも注意しなければいけないのが、
温度が高すぎると腐りやすい
低すぎると“低温障害”で傷んでしまう
という点です❄️
さつまいもにとって快適な“お布団”のような環境を用意してあげることで、
秋から冬にかけて、おいしい状態をキープしたまま出荷することができます😊
さつまいもは、
焼きいも
大学いも
天ぷら
スイートポテト
味噌汁の具
など、昔ながらのおかずからスイーツまで、とにかく幅広く活躍してくれる野菜です。
農家としてうれしいのは👇
「うちの子、野菜嫌いなのにさつまいもだけは食べるんです」
「おやつをさつまいもに変えたら、家族の楽しみが増えました」
「焼きいもにしたら、甘くてびっくりしました!」
という声をいただけること🍠✨
畑で泥だらけになって育ててきたさつまいもが、
どこかのご家庭で
子どものおやつになったり
夜食になったり
ちょっとした“ほっとする時間”の一部になっている
と思うと、
本当に励みになります😊
さつまいもは、種ではなく苗から育てる多年草的な作物
土づくり・植え付け・ツル返し・収穫・貯蔵…一年を通して手をかけている
掘りたてより、じっくり寝かせて甘くする“熟成”もおいしさの秘密
一つひとつのさつまいもに、農家の判断と手間がぎゅっと詰まっている
もしスーパーや直売所でさつまいもを見かけたら、
ちょっとだけ土の中で過ごした時間や、
それを支えている農家の一年を思い出してもらえたら嬉しいです🍠
そして今夜の食卓やおやつに、
さつまいもをひとつ加えてみませんか?
きっと、
じんわり甘くて、ほっとする時間が増えるはずです😊💛
![]()