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西浜ファームの農園日誌~“土づくりから貯蔵まで”~

皆さんこんにちは

西浜ファームの更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“土づくりから貯蔵まで”~

 

さつまいもは少肥・乾き気味を好み、株の健康=甘さに直結します。この記事では、圃場設計→苗の定植→水肥管理→つる返し→病害虫IPM→収穫→キュアリング(治療)→貯蔵まで、現場でそのまま使える型をまとめました。📝


1|圃場と土づくり 🧱

  • pH目安:5.5〜6.5(やや酸性が◎)。

  • 物理性:排水最優先。高畝(25〜30cm)×畝幅70〜90cm、明渠で根の酸欠を防ぐ。

  • 有機物:完熟堆肥を控えめに。未熟は×(病気・つるボケ)。

  • 肥料設計窒素は控えめ、カリ多め。リンは元肥で。🧪


2|定植(苗の扱いが9割)🌱

  • 時期:地温が安定してから(地域差あり)。

  • 挿し方斜め挿し(45°)または船底挿し3〜4節を土中、葉2節を地上へ。

  • 深植えNG:呼吸できず腐敗の原因。

  • 定植後活着までの潅水はしっかり→以後は乾き気味を基本に。


3|マルチ・潅水・温度管理 🖤💧🌡️

  • 黒マルチで地温UP&初期雑草抑制。夏場の高温対策に**遮光20〜30%**も有効。

  • 潅水のコツ

    • 活着期=たっぷり

    • 伸長期=控えめ

    • 塊根肥大期=干し過ぎず、やり過ぎず(割れの原因)。

  • 朝に与えて夕切り上げが鉄則。


4|つる返し・草管理 ✂️🌿

  • つる返し:畝間に伸びたつるを返して不定根を切る主根に栄養集中で芋太りUP。

  • 雑草:初期に勝負。マルチ+畝肩除草で光を奪う。


5|病害虫IPM(予防が最安)🐛🛡️

  • 主な相手:ネコブセンチュウ、コガネムシ幼虫、ハスモンヨトウ、つる割病・黒斑・軟腐。

  • 基本戦略

    • 輪作(ネギ・麦・大豆等)

    • 太陽熱消毒緑肥(ソルゴー/クロタラリア)

    • 防虫ネット+フェロモントラップ

    • 排水改善で根腐れ回避

    • 薬剤はローテ&ラベル遵守、収穫前日数を厳守📒


6|収穫のタイミングと掘り方 ⛏️

  • サインつるの黄化・試し掘りの皮硬化

  • 傷を作らない:フォークや掘取機の深さ一定投げ置き禁止

  • 晴天続きに収穫→体内水分が落ち着き、後腐れ減


7|キュアリング(治療)→追熟 →貯蔵 🔥❄️

  • 目的:傷口のコルク化糖化スイッチON

  • 方法(一例):高温多湿で数日→その後13〜15℃・高湿で保管。

  • 10℃以下は低温障害に注意。

  • 出荷前結露ゼロで箱詰め。洗いは直売向けのみ(乾燥を徹底)。


8|規格・選別・箱詰め 📦

  • 用途別にライン分け:

    • 家庭向け=200〜400g中心

    • 焼き芋向け=L〜2Lの均一サイズ

    • 加工向け=曲がり/キズOKのB品

  • :5kg/10kg、採掘日・ロット・保存温度を明記。


9|チェックリスト✅

  • ☐ 畝高・排水・pH

  • ☐ 苗の挿し深さ・定植後潅水

  • ☐ つる返し実施日

  • ☐ 害虫トラップ・病斑観察

  • ☐ 収穫日・乾燥場の準備

  • ☐ キュアリング→貯蔵温度記録

  • ☐ 規格・箱ラベル・納品先


まとめ
“窒素控えめ×排水×つる返し×キュアリング”。この4点を回すだけで、形も甘さも安定します。まずは畝と排水、そして収穫後の温湿管理から見直してみましょう。🍠🤝